コラム(?)

「理屈ではなく感覚に従う」ことが「脳ではなく腸に従う」と言える理由

こんにちは、高本です。

今日のテーマは「脳腸相関と内臓感覚」です。

そのまま脳と腸は結構な関係があるよ、という意味なんですが、これがなかなかにおもしろくて。

で、本題に入る前に少しだけ前提の話。

対極にあるものを統合するニュアンス


僕はよく

・感覚に従って動こう
・感覚と行動を一致させよう

という話をしてます。

真面目な人ほど頭でっかちになったり理屈っぽくなったりしがち。

でもだからこそ、そこに”感覚で動く”というパラダイムを足し合わせたら最高になっていけるかもってことなんですよね。

で、2つのパラダイムを足し合わせるというのは、テーゼとアンチテーゼをアウフヘーベンするわけです。

例えば、老子で言えばあの有名な勾玉みたいな図がありますよね。


これって白と黒っていう対立する二つの概念は対極にあるんじゃなくて、一方の終わりににもう一方の始まりがあるって見るんですよね。だからぐるっと循環してるってことで。

2つは離れた場所にあるんじゃなくずっと繋がってて、切り離して考えるもんじゃないですよってことを言ってる。

数学的に言えば数直線の反対同士にあるんじゃなくて、輪っかになってるイメージ。

だからこんな感じで合体させて考えるべきもので、それがつまり2つの概念をアウフヘーベンするということですね。

で、その時により多くのエネルギーを取り出せるようになる。

こっちは物理を考えればよくて。高いものほど落としたら大きな音が鳴ったり、ダメージ受けたりしますよね。

これは高いところにあるものがそれだけの仕事をできるってことで、そんだけのエネルギーを蓄えてるということ。

で、2つの概念を合体させるというのは、それらより高い次元にいくということで、これは位置エネルギーを高めてると考えられるわけです。より高いところに持って行けてる。

だからその価値観とか体感とかパラダイムがあれば、どちらか1つしかない時より、人と話した時に心を動かすことができたり、感銘を受けてもらえたりする。

一人で何かする場合でも、それまでは行き詰まってたり壁になってたところが、高められた価値観から引き出せるエネルギーを使えば、あっさりクリアできたりする。

だから対極の概念に立ち会ったときに、どちらか1つを否定して片方だけを正義とするんじゃなくて、アウフヘーベンしていくべきって話ですよね。

今回で言えば、脳と腸を両方取り込む。ちゃんと考える理屈の部分も大事だし、腹で動く感覚を大事にすることもやって行った方がいい。

で、これを前提としてようやく脳と腸の関係について。なが。

理屈ではなく感覚。頭ではなく腹。脳ではなく腸。


まず僕たちは、ずっとめっちゃ真剣に人生と向き合ってるわけですよね。

「40年後に後悔したくねえ」
「ゴリゴリにエネルギー乗った日々を過ごすぜ」

みたいに。

でもそうすると、どんどん理屈のほうにいきがちです。薄っぺらい自己啓発本で人生のことわかった気になってみたり。軽い気持ちでやればいいものを意識過剰発動して部屋に篭ってみたり。

僕はそれで激渋の数年を過ごさせられてきましたのでw、それもあって「感覚と行動を一致させよう」「そんな風に自分を高めていこう」と言っておりまして。

そしてみんなで成長していこうと。

で、その感覚というのがね、科学的には”内臓”感覚だと解釈できるって話なんですよ。お腹ですね。もっというと「腸」。

つまり、「理屈ではなく感覚」というのは「頭ではなく腹」であり、「脳ではなく腸」って言えると。

この腸由来の感覚を「内臓感覚」というわけです。

そいで、その腹から出てくる、「おもろそう、やってみたい、こっちに進みたい」という内臓感覚を大事にしていくことで、おもろい人生に突入していける。そういう話ですね。

ここで発生学的に考えてみると、まず初めに生まれたのが腸なんですよね。そこからの進化で脳ができて人間になっていく。

例えば序盤の方の生物としてミミズがいるわけですけど、ミミズは腸だけの生き物ですね。

で、食物の取り込み方は、適当に触ってみてちょうどいいのを取り込むという感じ。

つまりとりあえず試してみる、というアプローチ。

「これがハズレやったらどうしよう」
「食べられへんかったら時間無駄やな」

とか思わずに、とりあえず向かって行く。このランダム性とか非合理性がめっちゃ大事なんちゃうのって言いたいわけですw

情動は腸内環境によって引き起こされる?


そして改めて「脳腸相関」に戻りますと、脳と腸は迷走神経ってので繋がってて、互いにシグナルを送り合えるようになってるんですよね。

なんですが、9割が腸から脳への信号。だから腸の状態が意思決定に大きく関わっていて、人間の行動や情動は腸に大いに影響されるわけです。

例えば、ご飯を食べられなかったらそれだけで不快になるし。便秘とかも不快だし、出すと快感だし。こんな感じで、腸の状態が感情にダイレクトに影響してくる。

腸内細菌が宿主の行動に影響を与えるということに関しては、ショウジョウバエの実験が面白くて。

このハエは、同じエサで育った同士で交配するんですよね。逆に言うと、腸内環境が異なるペアでは交配しない。まさに腸内の細菌が宿主の行動に影響を及ぼすということですよね。

他の例で言えば、腸内にはたくさんの微生物がいるわけですけど、無菌のマウスは意欲が低いということもわかっていて。腸内が無細菌のマウスの脳を調べると、無気力で学習能力が低い。

つまり、この感性の鈍りとか好奇心は、腸内細菌から考えられる部分があるってことですよね。

腸内細菌をカオスにすることで好奇心旺盛人間に


で、僕たちとしては行動のきっかけになる、いわば直感のようなものが、腸ベースでガンガン湧き上がってきてほしいわけです。

「もうこれ一択やわ」

って。腹落ちしたり、腹をくくれたり。

それがないから、次に一歩踏み出す方角が分からなかったり、やりたいことを探して迷走したりするわけなので。

頭で迷うことなく、ほかの選択肢を選ぶという発想すらない。そんな感覚。

それが起きてこないのは、感性が鈍ってるわけです。

じゃあどうすればいいかというと、腸内細菌をカオスにしていく。

赤ちゃんはなんでも舐めたがりますけど、それは大腸菌を増やすためなんですよね。これが好奇心や学習意欲につながっていく。

それがないから無意識や直観が働かない、気付けない、拾えない。だから頭に頼りすぎになって、知識編重の理屈野郎みたいになってくる。

つまり腸が活発であるか、腸内環境が豊かであるか。腸内環境の偏りとかバランスの崩れが、感性の鈍りに影響してきてるということ。

で、現代の日本においては清潔が正義とされてるわけですよね。なんでも綺麗な環境が正しいみたいな。でも無菌マウスはザコいわけですよね。

じゃあきれいとか汚いについても、本来は慎重に考えていくべきで。

例えば、僕は少し前まで南米にいたんですが、基本トイレはめっちゃ汚いです。都市部の宿とかじゃない限り。

ハンモック船の移動もありましたけど、下は余裕で濡れてて、「これなんの濡れやねん」みたいなこともあったり、便座がなくて「これどう使うねん」とか思ってみたり。

アマゾン川沿いの村では、子供が泥遊びするときに、おもっくそ裸足で腰ぐらいまで浸かりながら茶色い水を汲みに行ってみたり。水辺の草をちぎってきて、それ使って絵を描いてみたり。

ちっこいボートに一人で乗り込んで手漕ぎでフラフラ出発してみたり。そこで頭から飛び込んでみたり。まあアマゾン川は木の色が滲み出てるだけで全然きれいな水なんですけど。

でも日本でぬくぬく育ってきた身からすると、一瞬抵抗あるわけで。でもそんな環境で遊び倒してるからこそ、腸内細菌で見れば多様化してるはずで。

健康とか免疫的な観点で考えても強く丈夫になるし、そうやって腸内環境が豊かになることが、好奇心とか遊び心をはじめとした感性の豊かさにつながってくるわけですね。

人との接触もそうですね。自然や人との対峙を、腸内細菌を豊かにする活動として解釈するという話。

そうすると結局、いろんな人と接触したり、海で泳いでみたり、泥まみれになって遊んでみたり。こういうことをしていくのがいいってなってくるんですよね。

多様な体験というか雑食精神というかw

まとめ

長々と話した割にありきたりな結論であれなんですがw、まとめると

・頭ではなく腸の反応で意思決定していこう

・反応を活性化するために腸内細菌をカオスにしていこう

ということですね。

腸内環境を豊かにしていくには?って視点で普段の振る舞いを考えていくのは、1つの行動指針としてはかなり有効だと思います。

ちなみに、こういう話めっちゃおもろいやんって場合は『脳はバカ、腸はかしこい』って本と、『藤原新也「新東京漂流」』ってラジオの、vol.37がおすすめですw

脳腸相関に関しては健康とか食事がメインの本が多いんですが、これは現代人は頭を優先しすぎて感性が鈍ってるってニュアンスがふんだんにあります。あと Kindle unlimited でタダで読めます。

ラジオの方は、藤原新也っていうレジェンドカメラマンと茂木健一郎の対話で、腸内細菌と生命力についての話がおもろいです。

以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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