コラム(?)

千原ジュニア『14歳』の紹介として2年前に書いた文章を発見したのでそのまま載せてみるやつ

こんにちは、高本です。

今回は最近の感じとちょっと雰囲気が変わります。

僕は本好きなんですが、あまり本を読むとか読書という感覚はなくて、体感としてはどちらかと言うと研究に近いんですね、大学とか大学院とかの延長で。

なので一冊をしっかり読み切ることはあまりなくて、取りあえず大量に集めてきて必要な部分だけ読んでいって、それらでよく言及されるようなものだけがっつり読んでいくような感じが多い。

で、このブログは一応テーマというか方向性のようなものがあって、僕はその方向に進んでいく時に必要になってくるものを摂取していて、

本というのはそのプロセスにある一つのアイテムということになります。

で、同じように、ざっくり大別してその方向に進んでいこうとしている、または進んでいる人にとっては、これまで眺めてきたような本の一覧が、

「それらがどういう文脈で価値があると思って触れてきたのか」というコメントと一緒に並んでいると、そこから各自が興味ある方向に広げていきやすいだろう、

ということを考えそていたのですが、そしてそんなことを二年半ぐらい前に考えていたことを思い出しまして、

その時作ろうとしていたページを掘り起こしてみると、千原ジュニアの『14歳』という本だけ割としっかり目に書いていて、

結構な圧というか熱を感じたので、これだけ独立させて記事にしてみよう、ということを思い立ちました。今回はそれです。

この本については「やりたいことが分からない読書録」というシリーズというか企画でも紹介してるのですが、

また違った言い回しになっている部分もありこれはこれで面白いのかもしれないということで、記事という形にしておきます。

【やりたいことが分からない読書録】はじめに

2023年のどこかのタイミングで書いたと思われます。

それでは!

千原ジュニア『14歳』

もがいてるときに見たら絶対感じるものがある。千原ジュニアがそこからお笑いというものを見つけるまでの話。

自分の中の違和感と格闘してだれにも分かってもらえない苦しさと格闘してるときの心境を書いた本、まじでわかるわあという感じ。

でもそのつらい時の気持ちの描写がうますぎて普通に落ち込むっていう。

そら飲み会の時にお笑いやろうって言いますわっていう。

だってそれがジュニアにとってのエネルギーの源泉だから。

「飲み会の時ぐらいお笑いは別にいいやん」っていう人は多分根幹にあるのがお笑い100%ではないのだと思う。

「喜劇」「コメディ」「エンタメ」「タレント」「芸能界」「テレビ」などなどどこに原体験というかベースがあるのか、

「お笑いど真ん中」からちょい外れたところにある人が少なくない中、千原ジュニアは本当にお笑いだけあればいい人なんやろうなというのがわかる。

(例えばココリコの田中氏はコメディで、ウッチャンナンチャンのウッチャンなら映画がバックボーンにあったり。)

あとは、僕の場合は現状に対する違和感みたいなものが来たのが大学一年ぐらいの時でもうほぼ大人の時だから、

何をすればいいかわからないっていうのはあるにしても、でも今の自分がどういう状況かはある程度俯瞰できる。

「アイデンティティ絡みでちょっと方向を見失ってる状態」って一応自分で分かるから、何をすればいいかわからないなりに解決策を探ろうと思えるけど、

ジュニアはそれが小学生の時に来て、だから自分がいまどういう状況でどういうところにエラーを抱えててこういう心情になってるって恐らく客観視できない年齢。

だからそれが爆発して壁を殴ったりご飯ぶちまけたりするわけですが、いやその年齢でその悩みきたら絶対きついやんって思えますよね。

最後に「自分が戦うリングをやっと見つけた」みたいな描写があるんですが、それはつまりやっとエネルギーの源泉にたどり着けたってことなんですが、

最初これを読んだ時は「俺もそういうの見つけたい!」って中学生か高校生ぐらいのときに読んだ気がしますけど、

そのときはこの一連のジュニアの悩みをよくわかってなくて多分あんまり共感できてなくて、

でもなんかそういう「これ!」っていうのがある人っていいなあってちょっとした憧れみたいな感じだったんですが、

二年前ぐらいに改めて読み直してみたら、その道中の悩みの部分が共感でき過ぎで、「まじでそう!!」の連続。

自分も今そんな状況かもしれないっていう人は、これを読むと他にもそんな人がいたんだとを思えるだろうし、

あとはそこからどうやって抜け出していったかとか、その時に何を考えてどう過ごしてたかって部分も感じることあると思うし、

あと結局ジュニアは兄のせいじに誘われてお笑いに出会って「これや!」ってなっていくわけですが、それを見ると、

自分を外に連れて行ってくれる人の近くにいるとか、そんな人に出会いそうな場所にいるというか、今いる領域のふちに立っておくのも大事だと思わされたりします。

自分で解決が難しそうなら、なにかが起こりそうな場所には立っておくというか、そういうことも考えたりする本ですね。

やりたいことが分からない読書録2『天然知能』郡司ペギオ幸夫

絶賛悩み中の場合は、自分もしばらくたてばこういう感じになれるんやろうなって思ってもらったらいいと思いますし、

一旦そこは経たというあなたは死ぬほど共感できる上に、今後、

「だから飲み会で一生大喜利やってるのか」「だからずっとネタ考えたり今でも舞台経ってたりしてるのか」など、

「エネルギーの源泉を自分で分かってる人の生き方」として千原ジュニアを見るという目線をゲット出来て面白いと思います。


14歳 (幻冬舎よしもと文庫 7-1)

やりたいことが分からない読書録5『14歳』千原ジュニア