人生の軸を見立てる

進学先を選ぶとなるとどうしたら良いか分かりません。軸を基準とした、「この大学に行くことが自分の人生に絶対必要だ!!」と言ったものを持っていません。【人生の軸Q&A⑦】

前回

「やりたいことが本当に自分がやりたいことかどうかはどう判断するのですか」【人生の軸Q&A⑥】

質問

夜分遅くとなりましたが、文章を読んで大変参考にさせて頂きました。ありがとうございます。おかげさまで、新たな進展を図る事が出来ました。それは、自分には「創作したい」という軸がある事に気づいた事です。

思い返せば物心ついた頃から世界地図や物語など、そういったものを良く製作していたのですが、自己対話を繰り返す事でやっとそれらの根本にある根源的な欲求を見つける事が出来ました。

そこで、質問です。

今のところ、僕は就職に有利になる一定以上の偏差値を持った、大学進学の道を最優先にしています。高校生活を存分に楽しみつつ、受験勉強にも身を入れようと思っているのですが、高本さんの大学に行った理由を教えて欲しいのです。創作する以上必要になるため、知識の吸収(つまり勉強する事)に関しては軸からの意味付けができており、苦ではありません。

しかしながら、進学先を選ぶとなるとどうしたら良いか分かりません。軸を基準とした、「この大学に行くことが自分の人生に絶対必要だ!!」と言ったものを持っていません。

[質問]高本さんはどういった基準で大学を選んだのでしょうか。

失礼ながら、随分と遅い時間になってしまいましたので、お好きな時間に返信して頂いて構いません。

返信

進展があったようでよかったです。前回の質問で創作というフレーズがあってちょっと気にはなってましたが、やっぱり大事そうですねwで、僕がどういう基準で大学を選んだのかですが、僕はこのためにこの大学に、という選び方はしてないんですね。そこまで考えてもなかったので。

ただ、これも多分どこかには書いた気がするんですが、中学生の時の理科の授業で宇宙にはめっちゃたくさんの星があるという話がありました。で、絶対宇宙人おるやんと思ったので、家に帰って毎日宇宙のことを調べてました。すると、前回の回答でも書いたかもしれませんが、「超ひも理論」というもので宇宙のことを説明できるかもしれない、みたいな話が出てきました。この理論によるとこの世界は10次元ぐらいあるらしいのです。ということで、すごく気になったんですが、その先を見ようと思うと数式が難しすぎて何もわからなくなるところが出てきました。なので、そこで断念して高校生の時は宇宙系の簡単な本を何冊か読んだりしていました。高校は担任の先生が物理の担当だったので教室にニュートンという雑誌が置いていて、そこにも超ひも理論の話はいっぱい出てきていました。僕は全部読みました。

しばらくして進路をどうするかという時間になりました。僕はこの超ひも理論は別に大学でやるつもりはありませんでした。高校とか大学ぐらいまで数学やれば後は自分でちまちま一人でやればいいかと思ってました。他には、恐竜とか古代遺跡とも好きだったので、考古学系のルートもありかなとか思いました。

でも先生と面談して、物理科でこの超ひも理論というのを学べるということを知ったので、じゃあそこにしようと思いました。この超ひも理論は別にこの大学じゃないとダメ、みたいなのはないんですね、物理科に行けば大体どこの大学でも量子力学とか相対性理論はやるんですが、その延長にあるんですね。だからどこでもいいと言えばいいのです。ただ、その時はそこまで考えてなかったんですが、実際は、その中でも日本人でその分野の第一人者がいる研究室に行くのが、本気でやるなら理想的ではあります。あとは他のメンバーも熱量も違ってくるので、自分の勉強や研究の捗り具合も変わってきます。

なので、まず質問の直接的な回答としては、僕は、物理科で超ひも理論につながる分野を学べると知ったので、とにかく物理科に行くことが決定しました。その上で、どの大学がいいのかは分からなかったので、家から通えそうな国公立を受験しましたが普通に落ちたので私立の大学に行くことになりました。たしかそれはカリキュラムをサーッと見てみてちゃんと興味ある話が含まれてるところを選んだと思います。ただ、本当はこの教授がいるからこの大学に行くほうがいい、みたいなのはありました。でもそれは後から分かったことで高校生の時点ではそこまで物理とか宇宙の話を深堀して誰の下で学びたいか、というところまでは考えられてませんでした。

だからこれを踏まえて島谷さんの場合で考えると、まず最初に三つあって、もし本当に就職のことだけを考えて偏差値を最優先にするのであれば、どの学部が入りやすいか、とか調べてその大学の生徒であるという肩書を取りに行くという作戦は確かにあります、大学名とかのみを重要視するのであれば。ただ僕はその発想をしたことがないのでそれ以上アドバイスができないのと、その場合はまじでその後の就職ルートを熱望してないと、講義がことごとくおもんない可能性はあります。講義の内容をあてにしてないやり方なので当然ですけども。だから興味あることを学べるところに行くのが一番自然なのではないかと思ってます。

僕は超ひも理論を知りたかったので物理科に行きましたが、そうすると講義の中で高校生ぐらいの時に読んで全く分からなかった数式に近いものが出てきたりするので面白いんですね。ちゃんと自分が知りたかった方に近づいて行ってるって体感になります。

なので、そこでまた二つの道があって、創作が軸にあるかもしれないということだったので、その創作に関係する領域に行くパターンと、それは個人的にやるものとして、また別で興味あることを学べるところに行くパターン。

一つ目については、創作の種類が具体的に分からないんであれなんですが、例えば小説とか文章系なら文学部で学問として物語とか作品について掘り下げることで、自分の創作にプラスの影響があったりするかもしれません。モノづくりで言えば、工学系とかになってくるかもしれません。ロボとか機械とか電気通信とか、僕は全然詳しくないですけど、見ていくと興味あるのに近い内容が扱われてる学部や学科があったりすると思います。ゲーム作成だったら情報系とかも入ってくるんですかね。だから、その方面に行くっていうのは選択肢としてはあります。ただ、この辺は好きだったら自分で勝手に出来たりしますし、でも大学で体系的にしっかり学べる方が良かったりするかもしれなくて、何が正解かというのは難しいところです。

で、もう一つが創作とはまた別で興味関心のある分野に行くパターン。前にドイツ語とか書いてくれてたと思うので、ドイツ語学科とかも可能性としてはありますよね。生物系も同様です。他にも興味あることがあれば、それが学べる学部学科は選択肢に入ってくると思います。この辺が大枠の考え方になってくるんですが、その上で、カリキュラムと研究室も見ておいた方がいいです。その大学のその学部学科でどんな授業があるのか、3年生4年生ぐらいでゼミとか研究室配属があって一人の教授の下で深く学ぶことになるので、「この人!」っていうのがいるかどうかもチェックしておくといいかもしれないです。むしろ、この人から教わりたいという人を見つけてその大学に行くとかでも全然いいぐらいです。

僕はそこまで考えられてませんでしたが、僕の分野だと京大と阪大に有名な教授がいて、そこにその分野に興味のある学生が集まりがちだったようです。僕も一応研究室は一通りチェックして、「この大学ならこの研究室がいいな」っていうのを入学する前に考えたりもしてました。だから、周りは研究室配属の時に友達と一緒のところに行ったりする人も何人かいたんですが、僕はそういう選び方はあんまりしない方がいいのかなとは思います。もちろんみんな目的は違うので別に最終的にはなんでもいいんですが、ちゃんと興味持って学べるところを選べた方がいいかなと思っていて、だから最初からそれがあるのかってのは見ておく方がいいとは思います。

ちなみに僕は大学4年間通ったあと大学院の修士課程に進学するのですが、それは4年だと超ひも理論の入り口までしかたどり着けなかったからというのがあります。で、同じ物理でほかの研究室の友達も進学したりしてたんですが、就活から逃げるために一旦大学院まで進もうって人は、その研究自体にはそこまで興味がないのでめっちゃ大変そうでした。これは大学4年の卒業研究でも同じなんですが、最後は一年間それに集中するわけなので、興味ないところに行くとなかなかしんどいです。といっても、行った先で自分で興味を持てるようにしていく、という人もいて当然なので、そこは性格の問題にもなってくるかもしれません。

ただ、僕は興味ないことは頑張れないので、自分が知りたいことを知れる学部と学科を選びました。その上で、どの大学がいいかというところまでは考えが及ばなかったので適当に選んでしっかり落ちました。だから余裕があれば研究室とか教授まで見ていけると「この大学がいい!」というのが出てくるかもしれません。

返信の返信

引き続き、僕の質問に答えて下さりありがとうございます。やはり、大学と学部決めは自分の関心に沿った場所を選ぶのが重要ですよね。

今のところは、その関心事がなんなのかを自問自答していくフェーズだと思うので、とりあえず様々な興味に手を出していこうと思います。ありがとうございました。

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