コラム(?)

なぜ「ゆらぎ」は現代における重要概念なのか【後編】

この記事は、

なぜ「ゆらぎ」は現代における重要概念なのか【前編】

の続きです。

なぜ人は自然を求めるのか

生命のリズムは1/fゆらぎになっていて、自然界のリズムも1/fゆらぎ。焚火の音、風の音、虫の鳴き声、小川のせせらぎ。

これらは大体1/fゆらぎになっている。これは何を意味しているのか。

人間がこの自然界に身を置くと、人間である以前にこの地球で何十億年暮らしてきた生物として、安心感を得ることができる。

ということなんですよね。

つまり、

人は自然界の1/fゆらぎと調和し、共鳴するようになっている。

脳は1/fゆらぎで安らぎを得たり、そこから離れると命の危機を感じて不快になったりするわけです。

これは面白いことを言ってます。人間が自然を求める理由が、もうこれで説明できてしまう。

人は、生物としての本能に刻まれたリズムと同じルールで動く世界に包まれたい。だから自然に触れたくなるし、その環境が心地いいと感じるんですね。

似た話で言えば、和尚さんは座禅をするわけですが、そのときの脳波はα波になっていて、これは地磁気と同じ周波数なんですよね。

つまり、座禅を組んで悟りを開こうとする中で、自分の脳波と宇宙のリズムが共鳴するってことです。だから何か特別な感覚になる。

そう考えると座禅もすごく面白いというか、仏教が目指す世界に、物理で説明できる領域があるわけですよね。

で、1/fゆらぎの話に戻ると、実はこれはフラクタルと深い関係がありまして。

人生はフラクタルなのかもしれない

フラクタルっていうのは、自己相似性とも言って、全体と部分が同じ形になってるもの。

それで、1/fゆらぎは視覚的に捉えると、フラクタルになってるということなんですね。

もともとは複数の正弦波の合成でできているので、ぱっと見はガタガタした波です。でも、その一部を切り取って見てみると、それがその波全体とほぼ同じ形になってるわけです。

フラクタルの例としては、自然界では貝の構造とか葉っぱとか。

他にもいろいろあって、自然のものはフラクタルが多いんですが、それもここまでの話を考えたらある意味当然というか。

自然のリズムは1/fゆらぎで、これがフラクタルになってるんだから、具体的な物質にその構造が現れてくるのもおかしな話ではないですよね。

そういう意味では、人間が自然に魅かれるのは、視覚から1/fゆらぎが入ってくるから、とも言える。

例えば焚火だったら、視覚的にも聴覚的にも1/fゆらぎが情報として入ってきます。

これをもっと拡張すれば、人生もフラクタルになってるんじゃないかと言えまして。

直観的に言えば、心臓のリズムは1/fゆらぎなので、生まれてから死ぬまでの拍動は、一日という期間だけを見たときの拍動と同じ波形になってるわけです。

これは心臓に限らず他の波形にも表れてくるはずなので、人生は一日という部分の集まりで構成されてますけど、

その人生という「全体」は、今日という「部分」と同じ形をしてるって解釈できる。

だいぶ粗い説明ですけど、こう思ってみると面白くて。

ということは、

今日一日の始まりから終わりまでは、人生における誕生から死までと同じ形をしてるはず。

ということは、今日適当に生きてるやつが望み通りの人生を過ごせるわけなくて。

逆に言えば、理想の人生の一部が今実現されてないとおかしいということになりますよね。

つまり、今日一日の在り方から大きく離れた人生は実現されない。

「あんなふうになりたい、こんなことをしたい」と言っておきながら、それを無視して我慢して同じ繰り返しのルーティン的な日々を過ごしていては、一生そのままだということ

こんな風にも考えられる。

人口のリズムに生きる人間が不健康なのは必然である

ここでようやく今の生活を考えてみると、現代社会は社会全体で共有された時間に基づいて動いてますよね。

でも、この時間とか時計の概念って、人が生み出したものです。人工的な概念。

つまり、今の暮らしがこれに基づいているということは、人間の中にある本来のリズム、すなわち自然と共鳴するようなリズムに反してるわけです。

じゃあ、そら不具合生じますよねって話で。

ふと何もかも手につかないようなモチベーションの低下が起きたり、ふとこれからどう生きていけばいいのか分からなくなったり。

人間である以前の、「この地球で何十億年と進化を繰り返してきた生物」としてのリズムに反する振る舞いをしてるのだから、そういう形で現象化してくるのも当然ですね。

生物としての側面をうまく統合した人間の生き方とは

ここまでは物理的な話をずっと見てきました。人間の体のリズムは1/fゆらぎで、自然のリズムも1/fゆらぎ。

だから人は生物として自然や環境と調和したい。だから日々の暮らしの中で、自然に触れたいと思う瞬間がある。

そういう話でした。

で、その1/fのリズムというのは、元はゆらぎにあったわけですよね。複雑な生命同士が複雑な世界で生きていく、子孫を残して繁栄していくために、バッファが必要だった。

それがゆらぎというもの。

だから生物としてはそれでいい。体内時計が多少狂っても問題ないよね、っていうメカニズムを持ち合わせていれば、それでいいわけ。

でも人間はそうじゃないですよね。人間は本能のままに生きていればいいわけじゃなくて。精神が発達したから人間なわけで。

じゃあ精神的にも余白とか遊びが必要じゃないかって話になってきますよね。

これがないと、ここまでの話と同じように弱いし脆いし、さらに何より人間としてつまらない。だから「精神的なゆらぎ」というのも必要ではないかと。

でも、もうよくお分かりの通り、ただの不規則では意味がない。ホワイトノイズではただのカオスなわけで、思い付きで適当に行動しても何も心地よくない。

逆にブラウンノイズでは規則的で予測できて、意外性のかけらもない。いつのまにか乗せられていたレールの上を、昨日と変わることのない今日としてただ繰り返し進んでいくだけ。

これも何一つ面白くないわけです。

だからここに、ピンクノイズを取り入れたい。1/fゆらぎでないとダメなわけです。

つまり、

全体で秩序を保ちながら部分的には不規則を取り入れる。

こういうことになる。

そしてこれを体現した人生というのは、

大枠の方向を定めた上で、進むべき方角を自覚した上で、でも部分としての日常においてはランダム性を取り込んでいく。不規則な選択を織り交ぜていく。

こういうアプローチ。

もう一段解具体的にするならば、人生の方角を見定めた上で、感覚に従い自然の流れに身を任せていく。

それは人生のゴールとか理想の未来を考えることに始まります。

ブログでは「人生の軸の見定め方」という形で紹介してますが、方法はまあ何でもいいです。

ただ、「俺はこっちに進んでいくんだ」ということを自分で分かっていないといけない。

ふわふわしたまま漠然と不規則的にふるまうんじゃなくて、ゴールを見据えて、そっちに近づいている喜びを感じながら、目の前の選択は流れに身を任せる。

心の声に、魂の呼び声に、内なる感覚に委ねる。そういうニュアンス。

だから今の自分を超えた、その外側に触れるきっかけが自動的に生まれてくるし、適度に刺激があり決まり切っていない今日でありながら、でも着実に理想の未来へと向かっていく。

蛇行しながら寄り道を楽しみながら、想定外連発で予定不調和な人生を、主人公として突き進んでいく。

それが、人生に1/fゆらぎを取り入れて、“宇宙の中の一生命体としての人間”であることを忘れずに生きていくということではないかと。

そう思うわけですね。

そうやって地球を遊び尽くして、しゃぶり尽くして死んでいくということですね。

まとめ

ここまで「ゆらぎ」という観点から、人間の在り方について考えてきましたが、いかがだったでしょうか。

僕たちは、ふとした瞬間に自然を感じたくなるわけですが、これは人間の生物としての側面を考えてみればいいという話でした。

人間のリズムは、地球のリズムに大きく影響を受けているはずで、そのリズムと同化し、共鳴するときに居心地の良さを感じるものです。

その一方で現代人は、時計という人工のリズムに縛られて生活している。

それが、爽やかに生きていくということを妨害する形で、現象化してくる。

だからこそ「調和のとれた不規則」を取り込むことで盛大に生きていけるのではないか。こういう話でした。

ちなみに後半に出てきた「人生の方角を見定める」という部分については、以下の記事で一通り解説してるので、興味あらばご覧ください。

人生の軸(自分軸)の見つけ方とそのために極めて重要な概念

それでは、今回は以上となります。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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