こんにちは、高本です。
今回は「説明しすぎてマイナスになることも全然ある」というテーマです。
何かメッセージを外に出すのは、それを受け取った人と関係を持ちたいからです。そのメッセージの解釈はそれが持ってる情報によります。
で、それが持つ情報というのは、「そのメッセージがどんな文脈に置かれたものか」で変わってきます。
そうすると、文脈次第では丁寧に説明したつもりが相手を不快にさせたり、心理的距離を遠ざけたりする可能性が大いにあります。
情報発信も画面を媒介としたコミュニケーションなので、関わりたい人とちょうどいい温度感で関係を築いていくためには、この感覚がある方がいいというわけです。
というわけでそんな話です。
テレビ千鳥を見てて「その説明いる?」と思った話
この前テレビ千鳥という番組を見てたんですが、あるシーンを見て「そらテレビおもんなくなるわ!」って思ったんですよね。
千鳥の大吾氏が「小学生の算数の問題を解けるか」って企画で、内容自体はめっちゃ面白くて。
というのは、大吾は分数の足し算とか筆算のやり方を覚えてなかったり知らなかったりするんですが、本質を考えて解いていくわけです。
例えば½+⅔ を、四角形を6分割してその半分と4ピースの足し算って考えたりとか。
通分をわかってなくても通分の考え方を使って解いてて、「学校の勉強に時間使ってきてないだけでめっちゃ頭いいんやろうなあ」って思ったんですが、そこは本題じゃなくて。
ずっと楽しく見てたんですけど、その分数の計算のところで、
「大吾はこうやって解いてるけど、ここを勘違いしてるせいでこんな風に答えがちょっとずれてます。実際はこうやってやります」
ってことで、ナレーションベースで解答例をこっちに説明してくれてたわけです。
それがこれなんですが、こんな丁寧に説明することか?って思いませんか?w
「これを説明しないとダメだと思ってるのか?」
「逆にそんな人たちがボリュームゾーンで、そこに向けてテレビ作ってるのか?」
って思いましたよね。
もしそうなんだとしたら「そらテレビおもんなくなるわ!!」と。
学校で習ってみんな分かってるものを大吾が覚えてなくて、
でも頭いいからテクニックとか公式ではなく、本質的な部分を考えて解いていくのが面白かったんですが、急にこんな説明が出てきてビビりました。
番組側はこれぐらい丁寧にしたほうが見続けてもらえると思ってるんだと思いますが、そこで「なめられとんな」って感じられたらもったいないですよね。
情報発信では読み手の輪郭をはっきりさせる場づくりが大事
で、テレビは情報発信の一つの形なので、僕たちがやっていく情報発信でもこういうところはしっかり考えておく方がよくて。
つまり、それは誰に向かってしゃべってるのか。
テレビはマスメディアなのである程度どんな人にも見てもらおうと思って作ってるかもしれませんが、こちらはある程度ターゲットを絞って発信していくわけです。
やっていくうちに絞られてくるパターンもありますが、最初から何となく全体に向けて発信するんじゃなくて、特定のゾーンに向かってボールを投げていくべきなんですね。
ってなるとなんでもかんでも丁寧に説明すればいいというわけではなくて。
「これを読んでいる人は、ここは説明しなくても大丈夫」
って信頼も大事だったりします。
それは受け手に解釈を全部委ねて楽したり、適切に言語化すべきことを雑にやるというわけではなくて。
日常会話でもそうですよね。共通の趣味の友達とそのテーマで話するときはいちいち細かい語句の説明しないはずです。
「ここは説明しなくても分かりますよね」で、次に進んでいいわけです。
むしろそうすることで、どんな人を対象にしてるのか、読む人の輪郭がはっきりしていきます。
それはこちらがどんな人に語りかけているか、というのもそうですし、読んでる側も「この人はどんな人に向けて伝えようとしてるのか」が見えてきます。
そうやって、自分のメディアという場を作っていくわけです。
どんな人が、どんな人に、どんなことを、どんな風に喋ってる空間なのか、
それを表現していくわけです。
それは今みたいに直接言語化して掲げるわけではなくて、
その場で出てくる話題や語り手の口調、説明の仕方、言葉選びとか、そういうところを意識して演出したり、
逆にそんな風に勝手に演出されていくものです。
だから『テレビ千鳥』の例で言えば、この説明を見たときに「え、そんな風に思われてたん?」って僕は感じたわけです。
「こんだけ説明がいる人だと思われてたんだ」っていう。
その表現一つで全バレしてしまうというやつ
情報発信っていうと、どうしても「情報を伝えるもの」と思ってしまいがちですけど、発信する側も受け取る側も「人」なので、そこにはちゃんと感情があるわけです。
だからメッセージの内容や伝え方で、「どんな人と付き合っていきたいか」というのが反映されます。
例えば、インターネットビジネスとかだと「誰でも一日10分の作業で月100万稼げます!」みたいな宣伝文句がありますが、これはそれに反応する人を集めたいわけですよね。
これを気持ち悪く感じる人は寄ってこないわけなので、必然的にそこに違和感を覚えない人が集まってくることになります。
zozoの前澤さんがちょっと前にお金配ってたと思いますが、あれもそのメッセージに反応する人を集めたいからやってるわけです。
つまりその表現一発で「誰に話しかけているのか」が速攻バレるわけです。
で、情報発信というのは読者と信頼関係を築いていくものでもあるので、見てる側に「バカにしとんな」とか「それは当たり前やん」と思わせたら、当然いい関係は築けません。
そのメッセージに対して「なるほど、おもろい話してるやないか!」って思う人が集まります。
だから、本当に読んでほしい人に「自分に向けて作られてるものではないな」って思われたらやってる意味がないわけです。
だから内容はもちろんのこと、何をどこまでどんな風に伝えるのか、ということも意識していきたいわけです。
まとめ
今回は「説明しすぎてマイナスになることも全然ある」というテーマでお送りしました。
僕たちのメッセージを受け取るのはもちろん人なので、それが誰に向けてどんな意図で発信されたのか、というのはあっさり伝わります。
だからこの意識が薄いと、途中まで気持ちよく受け取ってもらえていても、たった一つの表現で「なんか違うな」と思われてしまうこともあるわけです。
これは情報発信していく上ではめっちゃ大事な部分です。
というわけで、今度文章書くときは目の前に人がいることをリアルに想像して、その人とどんな風に会話すればお互い気持ちよくいられるか、というのを考えてみてください!
今回は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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