人との関わり

ハンターハンターに学ぶ、”why”を語ることの威力と会話における重要な役割とは。

こんにちは、高本です。

いやー、やっぱハンターハンターっておもろいですよね。小学生の時にケーブルテレビでよくグリードアイランド編のCMが流れてまして。

めっちゃ見たかったんですけど、毎回放送日を覚えれなくて全然見れず、結局そこだけ漫画買いましたよねw

で、そのハンターハンターのアニメを最近見返してたんですけど、めっちゃ面白いなあって思ったことがあって。

それがハンター試験の最終試験のくだりなんですけど、最後にハンター協会の会長と面談するんですよね。

質問内容は、

「最終試験に残ったメンバーで、戦いたい相手と戦いたくない相手、そしてその理由は?」

これをキャラごとにテンポよく見ていくんですが、その返答に人間性がもうめっちゃ溢れまくっててw

そのキャラの考え方とか価値観とか大事にしてるものとか、「もうそこだけで全部わかりますやん」みたいなw

で、そのシーンを見てて「やっぱり”why”に人間味がにじみ出るんやなあ」って思ったわけでございます。

そしてその”why”を共有するところに、人とのコミュニケーションの面白みがあると思うわけでございます。

“why”を語り合うからお互いの人間性が伝わるし、だから表面上のやり取りを超えて深い繋がりになっていける。

今回はそんな「why」についての話。

「理由があれば誰とでも戦うし、なければ誰とも争いたくはない」

ハンターハンターの序盤で、主人公たちがハンターになるための試験を受けるわけですけど、その最終試験前に面接的なのがありまして。

そこでの質問が、

①なぜハンターになりたいのか
②残った人間で一番注目してる相手
③残った人間で一番戦いたくない相手

ここの各キャラの回答がおもろくて。個性とか性格がゴリゴリに出てくるんですよね。

受け手として見てる分には、そのキャラの考え方や価値観がはっきりわかって、もっと好きになったり「こいつはこういう答えよなあ」ってなったりw

この後ざっと見ていきますけど、結局この「なぜ」の部分に惹きつけられるというか、そこがあるからそのキャラが魅力的になるんですよね。

とりあえずちょっと印象的だったのを並べてみます。もしハンターハンター見たことがなくても、これ見るとなんとなくどういうキャラか伝わると思います。

キルア

(一番注目してる相手)
「ゴンだね、同い年だし」

(一番戦いたくない相手)
「53番、戦っても面白そうじゃないし」

面白そうじゃないからってところに性格出てる感じしますよねw

あと余裕のある感じ。

ボドロ

(戦いたくない相手)
「405番(ゴン)、99番(キルア)」
「まだ子供だし戦うなど考えられん」

これもこの一行でこの人の信念が伝わる。

ゴン

(戦いたくない相手)
「99番(キルア)、403番(レオリオ)、404番(クラピカ)の三人は選べないや」

これも「仲間とは争いたくない、友達とは戦えない」っていう主人公らしさのある性格を表してます。

クラピカ

(注目してる相手)
「注目してるのはいい意味で405(ゴン)番、悪い意味で44番(ヒソカ)」

「理由があれば誰とでも戦うし、なければ誰とも争いたくはない」

最後の一行にこの人の価値観がギュっとされてますねw

必要な分だけ戦う。理由があるから戦う。

レオリオ

(注目してる&戦いたくない相手)
「405番(ゴン)、恩もあるし合格してほしいと思ってる」

仲間想いで熱い男って感じです。

ここまで見てみて、どうですか。

これまだ18話で物語の序盤なんですけど、このシーン一発で各キャラの個性がある程度はっきりわかりますよね。

それもただわかるだけじゃなくて、感情的にも引き付けられる。そういう意味で演出としてめちゃめちゃ上手やんって僕は思ったんですけどw

でもやっぱりここで大事なのは、

「whyを語るとその人の価値観がわかるし、それが共有されるとその人への興味が強くなる」

ってことじゃないかと思うわけです。

“why”を共有するから会話がおもしろくなる

 

すんごいわかりやすかったのでハンターハンターの例を見ましたけど、これって別にアニメだけの話じゃなくて。

普通に人と人のコミュニケーションで考えても、whyにその人間が宿るわけです。

で、そこを共有するから深い関係になっていけたり、お互いをより魅力的に思えたりするわけです。

だから初対面から親しくなっていく過程には、「なぜそれをするのか、なぜそう思ったのか」の部分が入ってくるはずです。

逆にそこがないと、結局ずっと表面的な関わりになってしまう。

自分語りと「そもそもお前誰やねん」

“why”を共有するには、自分がそれを伝えていく必要があります。「自分語りするな」とか「とにかくまず人の話を聞け」とか、ネットではよく見ます。

もちろんそれも大事でしょうが、でもその人を知らない状況でずっと話だけ聞かれてても、向こうからすると「そもそもお前誰やねん」って話なわけでw

だからどこかのタイミングで、徐々にこっちの人間味が伝わるような話をしていくのがよくて。

じゃあそのときに、履歴書に書くようなこと言っても全然おもんないんですよね。兄妹がどうとか趣味・特技・経歴・肩書きとか。

それはあくまでもその人の表面にある情報でしかなくて。ラベルでしかなくて。中身の人間の部分には到達できないですよね、それを聞いてる側は。

だからwhyを含んだエピソードがいいと思うんですよね。

「~~のときに~~と思って、だから今~~なんですよ」みたいな話が、相手も聞いてて面白い。

じゃあ具体的にどんな話かってなると難しいけど、でもそんな話をいっぱい抱えてる人がおもろいやつなんじゃないかと。

逆に言うと、自分のwhyの部分が伝わるエピソードがあると、聞き手に関心持たれやすい。

こっちがどんな人間であるかがそこに自然と含まれるから、そんな話一つで距離の縮まり方が違ってくる。

「こんだけ星あったら絶対宇宙人おるやん!」

それで思い返してみると、僕の中でこの文脈でちょうどいい話が1個あって。1個だけなんですけどw

なぜ大学院で物理やろうと思ったかという話。

中学の時に理科で天体の授業を受けてたんですよね。

で、太陽系がいっぱい集まると銀河と言いますが、その銀河が立方体にめちゃくちゃ詰まってるイラストが載ってて。

「うわーめっちゃ星あるやん」

って思ったんですけど、さらにその立方体がまた同じくらいむちゃくちゃ詰まってるのが銀河団ですよって説明がありまして。

さらにその銀河団が死ぬほど集まってるのが宇宙ですよって書いてて。

で、僕はすごく素直に

「え、こんだけ星あったら絶対宇宙人おるやん!」

って思ったんですよねw

それで毎日家帰ってから宇宙人のこと調べ倒してたら、気がつけば大学で物理をやっていた。

という話を、これから親しくなろうという人といる時に話すことが多くて。

「大学院生です」っていうだけではただの情報でしかなくて全然面白くなくて。

でも why の部分に着目して話すれば、そこにこっちの考え方とか体験してきたこととか、もっと言うと感情も乗っかるわけですよね。

そうするとこの1エピソードに結構な情報量があるので、それだけで「私はこんな感じの人間です」っていうのが伝わる。

そのまま自己紹介になる感じ。

それを経て向こうのwhyも聞いて、じゃあおもろい話もっとやっていきましょうてなってくる。

で、このwhyをいっぱい共有できる人が、より深い関係になっていく人なんだろうと思います。

相手へのwhy

逆に相手にwhyを語ってもらうのも大事ですよね。

人の内面を深堀するときにはなぜ?って問うていく。

もちろん問い詰めるニュアンスではないですよw普通の会話の範囲で。

・なんでそれをやるんですか。

・そういう行動を起こしたんですか。

・それに興味持ったんですか。

これを聞いていくと、その人の色んなことが分かっていく。

そうするとその人としかできないコミュニケーションになっていくから楽しい。

魂の根源から東洋思想からブラックホールまで

この前研究室の後輩と喋ってたんですが、めっちゃおもろかったんですよね。いい時間過ごしたなあみたいなw

それまでそんなにがっつり喋る機会もなかったわけですけど、「なんで物理やろうと思ったの?」って聞いてみた。

そしたら好きなこととか考えてることとかわかって、普段とはまた違った会話になっていった。

1人は、もともと意識とか存在意義、魂の根源あたりに興味あるらしくて。

「実家が寺なんですけど、子供の頃から仏教に違和感があって。なんかちゃうやろみたいな。それで物理とか素粒子の方にきた」

みたいな感じで言ってたんですけど、めっちゃおもろいやんっていうw

もう一人は、哲学とか思想的なものに興味あるって言ってて。

「俺も東洋思想とか好きやで」

「え、どういうところが好きなんですか」

「んー世界の真理に近づいてる感かなw」

みたいな話を展開したわけですけどw、僕はこの感覚が結構ありまして。

恐竜とか古代文明とか絶滅動物とか深海魚とか。この辺が結構好きなんですけど、これって時間的にも空間的にも今の地点から離れたところにあるものですよね。

こういうところにアクセスしてる感がおもしろいんですねw

で、哲学とかもそういうニュアンスじゃないですか。この世界がどうなってるかっていう理を追求する感じ。

僕は現代物理と東洋思想が同じところに繋がるって発想が好きで。というかその両方が目指す方向を知りたい感じなんですが。

(ちなみにこれに関しては、全然どうでもいいですけどw、「タオ自然学」って本がおすすめです。)

ただ、その後輩は「逆じゃないですか」って。

「物理は世界の真理だけど、哲学は個人の頭で考えたものだから違うくないですか」

って言ってて。

いや、こういう話できるのいいなあとw

僕はこういう話大好きですけど、まさかその辺のことを一切共有してなかった後輩と、今日急にそんな話なるとは思わなかったので。

これも結局「なんで物理やろうと思ったん」って聞いたところからですよね。

そこからお互いの好きなものとか価値観が共有されて、「じゃあこんな話好きなんちゃう、こういう系も興味あるやろw」って話が広がっていく。

だからやっぱりwhyが強いんですよね。

生物学的に考えるwhy

これは生物学的に脳の構造からも考えることができまして。

脳はざっくり二層に分けた時に外側に大脳新皮質、内側に大脳辺縁系があるわけです。

で、この外側の大脳新皮質は人間らしさを司っていて、言語や思考を扱う。大脳辺縁系は感情や情動に対応していて、こっちが意思決定をするけど言語は扱わない。

つまり、履歴書トークが上辺のやり取りで終わるのも当然で、物理的にも上辺というか脳の表層に留ってるわけですよね。

そこでwhyを語ることで、大脳辺縁系に直接アプローチすることができる。単なるラベルとしての言語情報ではない、その人間の輪郭が相手の中に浮かび上がってくる。

そしてこの生物学的な話と関連するものにゴールデンサークル理論というのがあります。

ゴールデンサークル理論とwhy

有名すぎるので余裕で知ってしまってるかもしれないんですがw、今回のテーマと大きく関係しているのでここで少し取り上げておきます。

サイモンシネックという人がTEDで喋ってた理論で、簡単にいうと「共感を起こし、人の行動を促すイノベーティブな企業やリーダーはwhy→how→whatの順で語ってるで〜」というやつ。

この人の説明がうますぎるんで動画を見てもらうのが一番いいんですが、要は「なぜそれをするのか」「どんな世界にしたいのか」って部分が一番最初で土台であるべきっていう考え方。

「じゃあそのためにどうすればいいのか」「どうやって実現するのか」、そしてその結果最終的に「何をやるのか」「何が生まれてくるのか」、そういう順番。

そうやって語る、伝える。

面白いものには why がだいたい入ってる。つまらないものほど what に執着してる。

たとえば情報発信で言うなら、「発信する内容」は what で、「どうやって伝えよう」のコピーライティングとかは how ですけど、一番大事なのは「なぜ発信する必要があるのか」「なぜ伝えたいのか」

ここがないとみんなが言ってるのと同じになったり、小手先の表現で差別化しようとしたりして、グズグズになってきますw

そしてなりより面白くないし、人を惹きつけるものにならない。

まとめ

今回は「whyに人間味が宿る、それを共有すると会話がおもろくなる」というニュアンスでお送りしてきましたが、いかがだったでしょうか。

人と会話するときに自分のwhyを含んだエピソードをどこかで入れてみると、満足感ある時間を過ごせる期待値が高くなります。

これまでの経験を振り返って、こういう観点からエピソードをちょっと整理してみたり、それ話したときの相手の反応をいつもよりちょっと敏感に気にしてみると、いろいろおもろい発見もでてくると思いますw

ちなみに自分に対するwhyを突き詰めていくのが「人生の軸」だったりもします。

質問ご感想などありましたら、こちらに連絡くださいね。猛烈に返信しておりますのでw

それではここまでお読みいただき、誠に誠にありがとうございました。

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