こんにちは、高本です。
さっきちょっと面白いことを知ったので、
それを踏まえまして今回は「なぜ学問がつまらないのか」という話です。
で、さらにじゃあどうやったら「学問おもろ~」「この世界おもろすぎぃ」ってなるのかまで考えてみたいと思います。
学問はザインであってゾレンではない
さっきちょっと面白いことを知りまして。
「学問はザインであってゾレンではない」
ということなんですが、まずこれについて。
どっちもドイツ語で
ザインは、存在の世界。「いかにあるか」
ゾレンは、理想の世界。「どうあるべきか」
という意味らしいんですよね。
つまり学問というのは、「そこに何があるのか」「それはどういうものなのか」を探求するものだということです。
物理なら自然界の法則はどうなってるのか、みたいなことです
そこから「じゃあどうあるべきか」を考えるのは学問の領域ではないわけです。
で、これを見たときになるほどな~って思いまして。
いかにそこからメッセージを読み取れるか
よく「学問や教養が大事」みたいな話を耳にしますよね。
「世界のエリートは~」とか「リベラルアーツが~」とか「教養は武器で~」とか。
で、そういうのにそそのかされて適当にそれっぽい本読んでみたりするわけです。
でもいざ読んでみると「で?」ってなるわけですよね。
だから何?っていう。これを読んだからといって、これを知ったからといってどうなれるのかという。
これがまさにザインとゾレンの違いですよね。
学問は「どう存在してるか」というところまでしかやらない。
だから「その結果こうあるべき」を読み解くのはこっちがやるところ。
その事実の集まりを踏まえて
「どう生きていきますか?」
「どう生きていくべきだと思いましたか?」
って部分を考えないことには何の意味もないってことですね
というかその問題意識がないから、読んでておもんなくなってくるわけですよね。
穴があると埋めたくなって好奇心が湧いてきますが、逆に自分で問題を作っておかないとサーっと事実を追って終わる。
本来学問としてはそこまでで機能を終えているから。
だからその後をやるのが僕たちの仕事で、それをどう読み解くかというところにその人間性が現れてくるはずですね。
それがその人の価値観で世界観ということです。
発信するという観点からは「そこから何を読み取ったか」というのが、
「その人という人間が面白い人なのか」に関わってくるわけですよね。
で、ただその事実を追いかけていくことに面白みを感じる人は、ずっと教科書とか辞書を読むように進んでいけると思います。
僕は物理のある分野においては、中学生の時に初めて触れて以来、ただただ知りたいだけなので、
その気持ちだけでどんどん気になったこと出てくるし、「めっちゃおもろいやーん」って勝手に本読んでどんどん調べていくわけです。
でも仮に知っておいた方がいいからって言われて、それこそ相対性理論とか量子力学を教養としてやろうと思うと、全然おもんないはずです。
もともと興味あったわけじゃないのだから、つまり存在までしか扱わないわけで、そのまま受け取るだけでは自分の生活に何の関係もないわけです。
量子力学を応用した技術はいくらでもありますけど、別に道具として出来上がったものを使う分には何の関係もないわけです。
だから興味がわかないのは当然で、「教養」と言わるのはそれを踏まえて
どう生きていきますか、生きていきたいですか、生きていくべきだと思いましたか
って、そこを考えていくことなんじゃないかと思います。
それが教養ということなのでは?ていう。
例えばこんな風に考えてみるとと面白い
エントロピー増大の法則:人生は勝手に無秩序になる
例えば物理には、エントロピー増大の法則ってあります。
物事は自発的に秩序から無秩序になるということです。
コップの水に落としたインクが広がるように。
それをエントロピーが増えると言います。
じゃあ人生においてもそうなるって考えられて。
自分の考えや行動がぐちゃぐちゃになって、何ためにやってるか分からなくなっていくわけです。自発的に。
部屋が勝手に散らかる、みたいなことです。
じゃあそこにどう抗えばいいのか?
これは生命現象にヒントがありまして。生命は自分でエントロピーを下げる機能を持っています。
それを自己組織化って言います。
エネルギーの流入と流出が絶えず行われているとき、そこでは秩序が維持されていきます。
福岡伸一という分子生物学者が「動的平衡」って言ってるやつですね。
「常に出入りがあること」=「存在してるということ」
ちなみにこの人のホームページのアニメーションがめっちゃわかりやすいです。
これは水の流れがなくなれば、そこは澱むってのと似た話ですね。
じゃあ変化がなくて入れ替わりがないのは、無秩序に向かう一方で「あかんやん」ということになる。
みたいなことを考えて初めて、研究者でもない僕たちが学問に触れることに意味が出てくるわけですね。
不完全性定理:神視点で意思決定する面白さ
数学で言えば、不完全性定理というのがあります。
これはざっくり言うと、
「閉じた系の中である命題を絶対に正しいということはできない」
という意味です。
もっと適当に言うとw、
自分が正しいことを自分の中で結論づけられない
ということです。
だから自分だけのジャッジに頼るのは限界があるわけです。
でもだからといって、毎回分かれ道が来るたびに人の意見聞いてもいられませんよね。
じゃあそこでどうするのかというと、自分という系の外から意思決定すればいいと考えてみるわけです。
神視点というやつです。
「どっちに進めばこいつの物語が面白くなるかな~」
で決めるということですね。
これは主人公感とも関係してきます。
「主人公ならここでどんな選択をするだろうか」という視点ですね。
経済:人とのつながりを捉えなおす
経済学で言えば、元々アリストテレスは政治を考えるときに「国家」「村」「家族」にばらして考えていきました。
で、その家という単位における政治、つまり「家政」がエコノミーの由来というわけです。
(家=オイコス)+(秩序=ノモス)=(エコノミー)
ですね。
で、この経済を考えたときにお金のやり取りというのはあくまで一つの形であって、もっといろんな種類の経済の重ね合わせで社会は出来ているとも考えられるわけです。
例えば贈り物の経済とかボランティアとか手伝うという経済とか。
で、このそれぞれで人とのつながり方は変わってきます。
じゃあ自分なりにどんな経済があるのかもっと考えて、その中で一つでも日常に持ち込めば、
そのつながりのコミュニティでは、お金の経済と違った形のコミュニケーションになりそうですよね。
これは単純に誕生日にプレゼントを送り合う関係は、コンビニで商品をやりとりする店員さんとの関係とは違うって話です。
で、そんなことを考えていくのがおもろいんちゃうのって話ですw
それが勉強することの意味じゃないのけ?ということです。
「お金を媒介とした商品の受け渡しというつながりだけの世界」に生きるのはつまらないはずですからね。
研究者になるわけじゃないのだから
こんな感じで、
「だから自分はそれを踏まえてこうやって生きていく」
「こうあるべきだと思う」
というところまでいってやっと、僕たちが学問に触れることに意味があるんじゃないかと思いますよね。
だって別に研究者じゃないのだから、存在を追いかけて整理するのは専門の人の仕事であって、僕たちはそれをいかに利用するかだけが問題であって。
使えることに意味があるわけですよね。
それに触れたことで
「うっすら思ってたことがはっきり言語化された」
なのか
「大事にしていた価値観がそこに数式として表現されていた」
なのかわかりませんが、
それによって世界の見方や意識が変わって、今日からの行動に影響してくることに意味があります。
いや、というかこの感動えぐいですからね。
「え、俺がずっと思ってた事ここにおもっくそかかれてるやん」
っていうw
ってなったら勝手にもっと掘り下げていきますよね。
だってそこに自分の価値観を体現して生きていく大ヒントがありそうなのだから。
だから教科書的に事実を知ってる覚えてるとかはどうでもよくて。
そして逆に発信者という立場で考えれば、そうやって読み解いたものを届けていくことに価値があるわけですね。
それがその人がそれについて語る意味なので。
事実を知って事実をそのまま喋っていては、いくらそれが整理されてようが分かりやすかろうが別に意味ないのです。
分かりやすいというのは一つの価値かもしれませんが、別にそいつがやる意味ないやんと思ってしまいますので。
もっと言えば本人も途中で面白くなくなっていくものです。
他にいくらでも変わりがいることをやるのは、なかなかモチベーションが持続しないものです。
その人の”個性”とか”らしさ”に根差した行動じゃないので。
元々のその人の軸から分離した不健康な動きです。
まとめ
今回は「なぜ学問がつまらないのか」というテーマでお送りしてきました。
僕たちは、「なんとなく知っておいた方がよさそう」「賢く見えそう」という理由で学問的な物に手を出しがちですが、学問はザインの世界ということでした。
つまり存在の世界。
「それがどうあるか」「どのように存在しているか」ということしか教えてくれません。
「その結果自分はどうふるまっていくべきか」これを考えるのは自分自身なんですね。
この前提がないと、事実を追いかけるだけで何にも引っかからずに終わってしまうことにもなりかねません。
つまりなぜ学問がつまらないかというと、
「事実しか教えてくれないものから、それ以上のものを見出そうとしていないから」
ということになりますね。
本日は以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました!
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