南米・部族

夜のジャングルにボートで出かけてあっさり沈みかける【南米旅行記④】

こんにちは、旅の終盤に差し掛かっている高本です。ただのジャングルど真ん中でお猿の肉を食べ、寝泊まりしてきました。

前回までの記事はこちら。

今しかできないことと今日やるべきこと【南米旅行記①】

興味関心の幅を広げたいならば塩の大聖堂に行きムイスカ族の人と喋れば良いのである【南米旅行記②】

道路横に急に現れるコロンビア先住民、エンベラチャミ族の居住区にお邪魔【南米旅行記③】

本当はその前に、空港前で野宿しようとしてたら通報されて警察が来たり、

先住民ワユー族の村にお邪魔したりしたり、

最下級のお手製ハンバーガーを食べて悲しくなったりしてたんですが、


特に見どころもないので割愛しましてw、アマゾン川とジャングルを堪能してきました。23日のツアーですね。

着いて早々に虫を食べる


こういう既にジャングル入口感ある街をトゥクトゥクで抜けて行くと森が現れまして、そこから歩いてロッジに向かいます。

で、一歩出ると目の前に大アマゾン。


厳密には枝分かれしてて違う名前っぽいんですが、まあほぼアマゾン。

宮古島の海入った時も思ったんですが、やっぱりエネルギー高い空間てあるなあと。なんというかゴリゴリに自然のパワーを感じる。

ひと泳ぎしてロッジに向かうと謎の虫が入った容器を発見。

「せっかく来たのだから一旦経験しとかないと」

という最悪の強迫観念に負けて食べてしまいました。

動いてるところをしっかり見た上で食べるのが強烈です。そもそも掴んだ時点で、芋虫だからめちゃめちゃ波打ってて指の間からすり抜けて余裕で落ちたりするわけです。

その指の感触、指紋に刻み込まれた感覚。これが気持ち悪さを8倍ぐらいにしてきます。負の価値の演出が非常に上手でした。

で、口に入れたあとは中で動かれたら嫌なので高速で顎を動かして頭をガリガリ噛み砕きに行くんですが、その感触もきっしょい。

味は不味くはないんですが、全然2度と食べたくはないというやつ。

そして早々に気分が悪くなったところで、昼飯のピラルク。脂っこくてこういう環境で食べるには最高のお味。

現地の人は動物的な感覚が強い

で、なんやかんやあって、火を囲んでレジェンドの話を聞きます。

何がレジェンドかというと、民族の文化を伝えたり残していくために、大学で講演したり本を書いたりしてるらしいのです。

内容もおもしろくて。女性を大事にってずっと言ってるんですよね。「respect」って出てきまくり。

ずっと聞いてると、だいぶ動物っぽいというか、生き物としての入り口、根元的な部分が話のメインって印象です。

日本は比較的豊かな社会でものが余って、精神的な方に意識とかエネルギーが向いてますよね。

「自分の人生ってなんや」
「自分ってなんや」
「何しに生まれてきたんや」

とか、アイデンティティ系の悩み。

このブログもそんなテーマだったりしますけど、でもこのジャングルでは現実の目の前の生活だったり、種の繁栄的な、もっと手前の部分が重要視されてる。

そういう観点から話されてることって日本ではあんまないので新鮮でおもろかったですね。

そしてお次はガイドのホセが伝統的な儀式をやってくれました。

タバコの煙を吹きかけられてみたりいろいろあったんですが、言語の問題で全部ははっきりわからなかったので印象的だったのだけ。

なんかの粉をストローみたいなので鼻に入れられて、こっちがスッて吸った瞬間にホセがフッて吹くんですよね。

それで悪いものが取れて浄化されるみたいなニュアンスなんですが、これをやるとその瞬間は呼吸にフォーカスできるって言ってまして。

focus」と「connect」がよく出てきたのが、いとをかし。

夜の川にボートで出かけて死にかける

その後、夜のジャングルに木のボートで出掛けたんですが、途中でボートが何かに引っ掛かり、さらに下からガンガンに水が入ってきて大パニックとなりました。

全員で必死に抵抗してなんとか脱出したものの、ロッジについてから通訳が

「almost die」

って言ってて、ほんまに危ないやんと思いました、はい。

ガイドの五感の鋭さが炸裂

で、次の日の昼ごはんの時に、今回の旅全体で見ても上位に来るぐらい印象的だったことがありまして。

みんなで机を囲んでピラルク食べてると、ガイドのホセが

「雨降るで、風くるで」

って言ったんですよね。そしたらその5秒後ぐらいから死ぬほど雨降ってきて。

こっちはご飯に夢中すぎて天候を1ミリも気にしてなかったんですけど、この人はそこの耳のセンサーが動いてたってことです。

こっちでは常に自然と対峙して生きてるので、無意識的にそこに注意が向いてる。

一方我々は、日本で家でぬくぬくと過ごしていて、そういう能力は必要ないわけだから、そら感覚鈍っていくわっていう、そんなことを盛大に思わされた一幕でした。

浮き輪で川下り

昼からは浮き輪で川を流れていくというやつ。

企画の内容がいまいちよくわからず、とりあえずボートで上流に行くとのことだったので、撮影用にスマホだけ持っていきました。

そしたらまさかのボートは先に帰って浮き輪オンリーで下まで流れていくらしい。痛恨の判断ミス。

しかも充電器までなぜか持ってきてて完全にやらかしました。

スマホが気になりすぎてアクティビティどころではない。

さらにジャングルの奥地へ

夕方からは長靴がないと本当に無理なぬかるみの中を、さらに進んでいきます。

ガイドのホセも「五感を研ぎ澄ましてハンターのように」って言ってた。やっぱりジャングルと五感はセットのようです。

道中の池みたいなところには、その上を歩く用に木を置いてくれてます。

ただそれが完全に隠れてるところがあって、これを踏み外すとマジでどこまで沈むかわからないので、しっかり危ないです。

で、しばらく進みまして、ちょっと道幅が広くなったところで「着いたで」って言われます。

「え、ここ??ずっと歩いてきた道となんの景色も変わってないんやけど」

と思わざるを得ないほどにジャングルの途中。

そしたらホセとレジェンドが周りの木をナタでガンガン切っていって、どうやらガチでここで寝るようです。

そして若干小綺麗になったところで、とんでもない手際の良さでハンモックをつけてもらいまして飯の準備。

ここでまたちょっといい話。

今回、僕たちの他にガイドのホセとレジェンドと通訳の3人が来てたんですが、普段は夜のキャンプにはレジェンドは同行してないようなのです。

ただ、昼間に儀式の準備を手伝ってた時に、道具とか儀式の意味とか、歴史とか伝統とか。めちゃめちゃ質問しまくってたんですよね。

せっかく全く違う文化と関わる機会だと思って。まあ結局深いところまでは理解できなかった上に、もうほぼ忘れたんですがw

でもそんな楽しもうとか学ぼうとかの振る舞いを見て

「こいつらなんかおもろいやん」

てことでレジェンドも参加してくれたらしいのです。

レジェンド自身は僕たちの「ロイヤリティ(貢献意識)、ワード、エナジー。そこに、フレンドシップとコネクションを感じた」って言ってて。なんかこういうのは嬉しいですよねw

まあそれはいいとして、猿肉が焼き上がったので食べました。解体してるところを見ていないのでただの肉です。

思いっきりジャングルのはずが家感出てくる

そして早々に就寝なんですが、ここでとんでもないことに気づきます。

なんとジャングルど真ん中のこの空間にちょっと居心地の良さを感じ出します。

これは本当にとんでもないです。だってほんの数時間前来た時はマジでただの森で完全に道中。

まだゴールちゃいますやん、みたいな場所でした。それが周りの枝を刈って、ハンモックつけて、火つけてご飯食べると、寝る時にはもう自分の場所みたいになってきてるわけです。

なんやったら、トイレするためにちょっと奥の方いく時は部屋から出るぐらいの感覚。この外出るんかってちょっと抵抗出てくるぐらい。

ジャングルという全体の中の一部だったのが、この数時間で自分たちのスペースとその外側のジャングルという感覚。これはちょっとおもろかったです。

何を落ち着いて寝ようとしてんねん、という。

ホセは普通の道歩きにくいらしい

朝起きて街に戻ります。一日寝ただけですけど、「普通に寝るとこあって食べ物あるだけでめちゃめちゃ幸せやないか!」と思わされます。

あと帰り道でちょっとおもろかったのが、こういう道を歩いて帰ってたんですけど、

途中でホセが「この道嫌やわ」って言ってて。ジャングルやったらどんだけでも歩けるけど、この道は嫌いらしい。なんでやねん、普通逆やろ。

まあおそらくジャングルで生まれ育ってると、普通の道は退屈だということなんでしょうけども。

そして無事に帰ってきて、ホセとお別れしました。

23日の短くて濃いジャングルお泊まり体験でした。

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